図を描くこと

こんにちは!個別指導塾SHIN塾長です。

今回は、算数、数学の学習に大きな助けとなる「図を描くこと」について書いていきたいと思います。

図を描くことは算数・数学の理解に大切です。図に表すことにより、頭の中だけで処理しきれない情報を整理することができ、また視覚的にとらえることで新しい考え方が見つかることにもつながります。学校教育でも教科書ではふんだんに図を用いた解説がされており、授業の中でも図を描いて考える練習は多く取り入れられています。

しかし、図を描けない、図を描かないといった生徒は多く見られ、その多くが算数・数学が苦手となっているのが現状です。そのような場合にただやみくもに「図を描きなさい」と指導するのでは、図を描くことが作業に陥ってしまうことにつながり、またその目的が「図を描くこと」にすり替わってしまうケースもあります。

図を描けない、図を描かない生徒には、「なぜ、どのようなときに図を描くのかがわからない」といったことが多くみられます。実際、どのような問題でも図を描くことが有効になるとは限りませんし、図を描くことは必須ではない場合もあります。具体的には「問題内容を頭の中だけで処理できる」場合には図は必須であるとはいえません。

小学校、中学校内容の算数・数学では、全く図を描かずに問題を解くことができる生徒、つまり頭の中で問題を処理できる生徒は少ないながらもみられます。このような生徒にとっては無理に図を描く必要はありません(多様な視点を持つために、塾や学校の指導の場では図を用いた考え方を説明することは必要です)。又、算数・数学が苦手な生徒であっても、小学校低学年の時分には、処理しきれないという経験はあまりなかったということも多いです(実際には学校の教科書や先生の指導で図を具体的に使っていることも理由ではあります)。

しかしながら学年が上がるにつれて、頭の中だけで処理できる問題だけでなく、処理しきれない問題が増えてきます。その時に、「頭の中だけで処理できない問題=解けない問題」といった捉え方をしてしまっていることが、算数・数学が苦手な生徒には見られます。まさにこの時こそが「図を描いて考えるべき」タイミングです。「処理できない」は「解けない」ではなく、そのようなときこそ図を使って考えること、これが「なぜ図を描くのか」の答えです。つまり「わからないと感じた時」に、そこで諦めるのではなく、図という武器を使って考えることが大切になります。

もちろん「なぜ描くのか」がわかったからといって、すぐに図を描けるようにはなりません。どのように情報を拾って、またどのタイプの図を描くべきなのかといった部分の指導、練習も重要になります。

頭の中でどれだけ考えてもわからなかった問題が図を描いて考えることでわかるようになること、この経験を繰り返すことで、算数・数学の理解、更には試行錯誤して問題に取り組む姿勢も身についていきます。