定期テストの振り返りをしよう ~学年別学習ポイント中2編~

前回に引き続き、6月定期テストの振り返りポイントについて書いていきます。

前回のブログにも書いた、振り返りの共通の姿勢は以下の通りです。

”やらなければならないことは、「振り返りを記録に残して、今やるべきことを書き出す」ことです。まずは振り返りを書き出しましょう。近年は学校でも振り返りレポートが課される場合もありますが、曖昧になっている「うまくいったこと」「うまくいかなかったこと」を書き出して、その記録を残すことが大切です。「次はがんばろう」でなく、「ここが上手くいかなかったから、こういうふうにやってみよう」と具体的にした課題を、学習計画にして日々の学習に取り入れていきます。細かな手順に関しては、以前書いたブログ記事「定期テスト振り返りを効果的に」に書いていますので、是非参考にしていただければと思います。”

今回は中学2年生の振り返りポイントを書いていきます。重要なポイントは、数学「等式の変形と連立方程式の計算」、英語「基本の時制」、その他として高校入試に大きく関わることとなる「実技科目の点数」です。

数学「等式の変形と連立方程式の計算」

等式の変形と連立方程式の計算問題を全て正解することができているのか、間違えているのであれば、何が原因なのかを詳しく見直すことが最優先です。これらは続く単元である一次関数で多用される計算方法となります。ここで曖昧な点や躓きがあると、一次関数の学習は身につきません。

特に、正負の符号ミス、方程式の移項ミス、加減と乗除の取違いなどが多くみられた場合は中1内容からの復習が必要となります。間違えた問題を残された途中式を見直すこと、解きなおすことで、なぜ自分が計算を間違えるのかを細かく確認しなければなりません。

復習が必要であると感じたのであれば、1年生の教科書で練習問題、補充問題を再度解きなおして復習をしましょう。基本の計算が曖昧なままでは数学の成績は絶対に上がりません。特に夏休みには集中して復習に取り組む時間をとることが可能です。計算に不安があるのならば、夏休みは中1からの計算復習を行うことを勧めます。教科書以外の参考書では、中1のブログでも紹介しましたが、文藝春秋社から刊行されている「小河式プリント中学数学基礎編」がおすすめです。小学校の基本計算から中1方程式までを丁寧に復習することができます。

英語「基本の時制」

今回の定期テスト範囲は「未来を表す表現」と「接続詞の使い方」が主であったと思われます(New Horizonの場合)。接続詞も長文読解には必須となる大切な文法事項なのですが、英語の基本を理解できているかという点で重要になるのは、未来を表す表現と、時制全般についてです。

ここまでで基本となる時制を学習し終え、ここからは不定詞や比較、受動態といった、基本となる時制の文に付け加える形で文法事項を学習するものが多くなります。つまり、基本となるBe動詞と一般動詞、過去形、現在進行形、過去進行形、未来を表す表現について正しく理解ができていなければ、新たな文法を学習する際に大きな妨げとなります。定期テストで語順や英作文での間違いがあった場合は、どの文法事項が曖昧なのかを細かく確認しましょう。又、テスト後の振り返りとして上述した基本となる時制の文で、肯定文、否定文、疑問文の自由英作文を作ってみることをおすすめします。どれか一つでも他の文法事項と混同があったり、動詞が重なってしまったりといったようなことがある場合は中1内容からの復習を優先してください。

数学と同様に英語も積み重ねの科目となります。中1範囲の理解が不十分なままでは成績を上げることは難しいです。復習は教科書のみでは行うことは難しいですので、文法事項別にまとめられている問題集を使うことが良いでしょう。学研から刊行されている「中1英語をひとつひとつわかりやすく。」が復習を独学で行うのであれば非常にわかりやすい教材です。文法事項に重点を置いた問題集となります。

「実技科目の点数」

神奈川県の公立高校入試(一部の私立高校も含む)では中学2年生の学年末の成績と中学3年生の12月の成績が合否判定に用いられます。そして学年末の成績は、3学期だけのものではなく4月から3月までの1年間の評価をまとめてつけられます。つまり、今回のテスト結果は高校入試に関わってくるということです。志望校やそこへ向けての成績の目標など、決まっている生徒も、まだまだ考えていない生徒もさまざまであるとは思いますが、まずは「もう入試に関わる成績評価は始まっている」ということを自覚することが大切です。

特に意識してテスト振り返りをしたいのは、「音楽、美術、保健体育、技術家庭科」といった実技科目の点数になります。主要5科目に比べるとペーパーテストの比準は低いとはいえ、成績評価に大きく今回のテストが関わります。どちらかというと「実技科目のテスト学習は時間をかけない」「前日に少しだけ勉強するだけ」といった生徒が多く、「まあまあの点数をとることができる」といった認識であることが多いのですが、だからこそ「主要5科目よりも少ない労力で、高得点をとることができる科目である」という考え方を持ってほしいです。

今回の点数がどれくらい実技科目のテスト勉強をした結果だったのか、もっと早くに取り掛かる、もうすこし勉強時間を増やせば解けた問題はどれなのか、といった視点で実技科目を振り返り、次のテストではより高得点を、満点を目指すような取り組みを行いましょう。「数学の5」も「体育の5」も一部の高校を除けば内申点としての評価は同じになります。高校受験を見据えて、上げられる成績を確実に上げていくといった戦略は不可欠になります。

まとめ

高校入試が現実のものとなり意欲が高まる生徒もいれば、中1の1年間で中学校の学習に悪い意味で「慣れて」しまうことで学習意欲や向上心がそがれてしまう生徒もでてくるのが中学2年生です。まずは目標を立てることから意欲は高まっていきます。目標は「高校入学」や「次のテストで80点以上」といった比較的長期スパンのものだけでなく、そこにつなげるための「毎日漢字を5個覚えて週末にテストをして100点をとる」「ご飯の前に英語の教科書の音読を行う」といった今すぐ取り掛かる習慣として取り組むものでも問題ありません。うまくいっているときや継続できているときに、それを自分自身、家族や他人からも褒められることで必ず意欲につながります。

今回のテスト振り返りで、何をするべきなのかといった行動を目標にして、今すぐ取り掛かりましょう。そして、夏休み後半には、各模試会社が行っている公開模試を受けることを勧めます。受験校を考えるきっかけともなりますし、定期テスト振り返りで見つけた自分の弱点が克服できたかを知る絶好の機会となります。

振り返りを踏まえた弱点の発見、どこまで戻るべきか、何を優先して復習するべきかといった計画の立て方は、学習塾が最も得意とするところです。テスト振り返りや見直しを通して、ご相談等がございましたら、当塾にお気軽にお問い合わせを頂ければと思います!