小中学生における英語学習の変化について

こんにちは!個別指導塾SHIN塾長です。

この記事は、学習の仕方についてこの塾が考えていることを、自塾紹介の一環としてブログに書いていく連載の第9回目となります。過去の記事も、是非読んでみてください!

今回は「小中学生における英語学習の変化について」考えていることを書いていきます。

学校英語の現状

まずは、現在の小学校及び中学校の英語授業に関しての状況について書きます。学習指導要領が2020年から大きく改訂され、小学5,6年生は英語の授業時間が大きく増え、教科として独立しました。又、小学3,4年生からも英語の学習は必修となり、小学校における英語学習はこの3年間で大きく変化しました。文部科学省の教育目標としては、英語4技能のうち、小3,4を「話す、聞く」を中心にした学習、小5,6ではその2つに「読む、書く」をプラスした総合的な基礎力を身に着けることとなっています。

これと連動して2021年からは中学校の英語内容が大きく変化し、中学生は小学校で英語を学習してきた前提でカリキュラムが組まれ、その内容は教育業界を震撼させました。具体的に述べるのであれば、単語数の大幅な増加【約1200語 → 小学校で700語+中学校で1600語の合計2300語】や、文法学習の変化【中1Lesson1の中で、Be動詞、一般動詞、助動詞が混在している等】といった変化です。

この大きな変化とともに過ごしてきた3年間で、私が指導してきた小学生、中学生の生徒たちからは、いくつか問題点が見えてきました。

小学生に関しては、(私の指導していた生徒が通っていた横浜市の複数の)学校では「5,6年生の授業でも読む、書くの練習はほとんど行われず、話す、聞くに偏っている」「単語を700語知っていなければならないはずなのにそのテストや練習をしない」こと。その結果中学生では「中1スタートの段階で大きく躓く生徒が増えた」「文法の習得が不十分になり英語のルールを理解できない生徒が増えた」ことです。

ただし、「英語が好きな生徒」、「英語が得意な生徒」は、より速いスピードで意欲的に英語技能を習得できているとも感じています。つまり、できる、できないの2極化が大きく進んだと捉えています。特に英語に対する苦手を訴える中学生は、以前より明らかに増えていると実感しています。

原因と対策

明らかに原因は、小学生の身に着けたスキルが「話す、聞く」中心であるのに対して、中学生に求められるのは「読む、書く」が未だ中心であることです。できる生徒が伸びたという良い点もありはしますが、これからの教科書改訂でさすがに是正されていくものと思われます。しかしながら、大幅な中学生の学習量変化はすぐには考えられませんので、しばらくはこのような状況が続くものと思われます。

これらを踏まえて、小学生に必要となるのは、「話す、聞く」だけでなく、「読む、書く」を多く学習することです。ただし、昭和、平成の英語学習のように「読む、書く」のみに偏った学習は今後の英語学習及び評価システム(スピーキングテストや民間英語試験の導入等)には合致しないと思われます。結局は、やはり4技能をバランスよく学習していく必要があります。学校の授業が「話す、聞く」中心であるならば、家では単語や文章を書く練習(必ず発音もして)を行うことや、音や映像とともに学ぶことのできるタブレット教材などは自主的に取り組むことのできる生徒であれば英語4技能学習に最適であるともいえます。もちろん当塾でも、英検を目標としながら4技能を学習していく授業を行っております。

英語に苦手意識を持ってしまった中学生に必要なことは、文法の体系的な整理と語彙力の増強です。中1で学ぶBe動詞、一般動詞の構文があらゆる英文の基本の形となっているので、中2、中3生であってもまずは中1内容から復習をすることが絶対です。合わせて、わからないままに進めてきたことで、語彙力がなく、さらにわからなくなるといった負のスパイラルに陥っていることが多くありますので、発音をしながら単語を覚えることも必須です。

まとめ

2020年の英語教育改革は、新型コロナウィルスの影響があったにせよ、失敗であったと私は感じています。まだ過渡期にあるため、結論は早いと思われるかもしれませんが、少なくともこの3年間の小学校高学年、中学生は非常に大変な思いをしてきているのは確かです。当然ながら現在も英語が苦手、英語が嫌い、といった生徒は増え続けています。

当塾では、一人一人に合わせた学習指導により、必要であればどこまででも戻って学習を行います。英語に関して、「苦手を克服したい」「わかるようになりたい」といった気持ちを実際のものとするために、ぜひ一度ご相談ください!