小6生の中学準備

こんにちは!個別指導塾SHIN塾長です。2学期も終わりに近づき、年明けからは3学期です。小学校6年生は卒業文集の作成に頑張っている生徒も多いのではないかと思います。

3月の卒業式を迎えると、4月からは中学生となります。中学校になると、学習は量、内容ともに変化します。「ちゃんとついていくことができるのか」と不安を感じている生徒、ご家庭も多いのではないでしょうか。そこで今回は中学校入学までに身につけておきたいこと、つまり中学校の準備について書いていきます。

又この内容は、当塾での冬期講習や1月からの授業における6年生の学習として重視している内容でもあります。この記事を読んでご興味を持たれましたら、是非ともお問い合わせをいただければを思います。冬期講習の詳細は「2023冬期講習のお知らせ」の記事をご覧ください。

①確実な計算力をつける

第一に取り上げるのは計算についてです。中学校で初めに学習する正負の数の単元では、四則計算に不安があると符号や計算ルールの理解に大きな妨げとなります。四則計算を「確実に」できるようにしておくことが重要です。特に気を付けたいのが分数の足し算引き算と、小数の割り算です。

分数の足し算引き算は小5で学習し、小6の間には確認する機会が少ないために考え方を忘れている生徒が毎年多くいます。倍数や約数といった考え方も含まれていますので、必ず復習を行いましょう。小数の割り算は四則計算すべてを用いて考えることになりますので自分の間違えやすい箇所を見つけるといった点でも大切になります。

計算の習熟段階としては、まず第一段階として「計算する手順がわかる」ということです。計算する途中で「あれ、どうするんだったかな」と躓くことがない状態がこの段階に当たります。わからない場合は当該学年の教科書を用いた復習が良いでしょう。教科書を見て思い出しながら計算練習を繰り返し、まずは解く手順を身に着けることが必要です。

第二段階は「全問正解する自信をもつ」ことです。解き終えた後に、「間違ってるかもしれない」や「不安な箇所がある」といった感覚をなくすことです。「ミスを減らすための工夫ができる」ことも同様の段階となります。以前ブログで書いた記事「数の感覚について」でも述べましたが、どのような計算結果になるのかを考えて計算ミスに気付くことができることも大切です。

最終段階では「どんなときでも正解できる」ことです。計算の仕方、答えの導き方が頭の中からストレスなく出てくる感覚が身につけば、計算力が確実についたといってよいでしょう。例を挙げるのであれば、全ての四則計算を「九九を解く」ように意識せずに解けるようになることがこの段階になります。

中学校に上がる前に、少なくとも第二段階までは分数小数を含む四則計算において身に着けておきたいです。計算練習をして、すぐに答え合わせをすること、間違えた問題の原因を自分で確かめること、もう一度解きなおすこと、この繰り返しで計算力は確実についてきます。特に、答え合わせや原因の確認、解きなおしといった部分は小学生の学習に抜け落ちやすい箇所です。「計算力をつけたい」「全問正解したい」といった目標と確実な意思を生徒本人が持ち、間違いを重ねながらひとつひとつ進んでいくことが大切です。

②英単語を覚える

次に取り上げるのは、英単語です。小学校の英語も少しずつ変化してきているとはいえ、まだ「聞く」「話す」ことに集中した授業となっているのが現状です。しかしながら中学校では「読む」「書く」の分量が急激に増えてきます。その際には「小学校で学習している単語」を読んだり書いたりできることが前提になります。そのギャップが英語が苦手な中学生を作り出している最大の原因であると、当塾では考えています。詳しくは以前のブログ「小中学生における英語学習の変化について」をご覧ください。

だからこそ中学校に上がる前に英単語を正しい発音で読むこと、書くことの基礎を身に着ける必要があります。市販の小学生向けの単語練習本でQRコードなどで音声を聞くことができるものを選び、発音しながら書く練習、そして自分で覚えたかどうかのテストを行う習慣をつけていくのが良いです。

おすすめの市販教材は、「小学生のための おぼえる 英単語・熟語1000(旺文社)」や「小学生のための英語練習帳 2 英単語400 改訂版(旺文社)、「イラストと図と音声でどんどん覚える 小学生のための英単語(Jリサーチ出版)」、アルファベットが不安な場合は「小学生のための英語練習帳 1 アルファベット 改訂版 (旺文社)」等です。書店やECサイトなどで中身を見て本人がとっつきやすいものが良いですが、必ず音声を聞くことができるものを選ぶことが大切です。

③漢字・語彙を復習する

小6の冬以降は小学校で学習する漢字を総復習する絶好の機会です。総復習教材として、「10日でしっかり総復習! 小学6年間の漢字・言葉(数研出版)」等の総復習教材を使って自分の忘れている漢字を見直すことをおすすめします。また、漢字を覚えられない、漢字がとても苦手だという生徒には、「小学漢字1026が5時間で覚えられる問題集 [さかもと式]見るだけ暗記法実践版(大和出版)」がおすすめです。おぼえ方、練習の仕方が丁寧に書かれている本です。

又、読解が苦手だという中学生は語彙力が不足していることが多くあります。漢字にあまり不安がないという場合は語彙力の増強に時間を割いてみるのが良いでしょう。当塾でも使用している「ふくしま式本当の語彙力が身につく問題集[小学生版](大和出版)」「語彙力アップ1300 1 小学校基礎レベル(すばる舎)」といった問題集を用いると効果的です。

④勉強の習慣を身につける

毎日決まった時間に勉強したり、一週間のスケジュールの中で勉強する日時が決まっているなどといった「学習を習慣化させること」は、部活動が始まり更に忙しくなる中学生にとって必須となります。小学生のうちにある程度固まっていることが望ましいのですが、まだ曖昧になっていたり、やらされている形になっていたりといった場合にはここから小学校卒業までが形作る大きなチャンスです。

多くの小学6年生は、中学校の学習に対する不安や期待を持っています。だからこそ、この時期は「卒業までにこれができるようになりたい」といった具体的な目標を生徒本人が自分ごととしてとらえて、意欲をもって取り組みやすいタイミングでもあります。上述した単語や漢字の学習を短い時間で毎日取り組むことや、算数の復習をする曜日や時間を決めること、といった学習計画を作り実行することで習慣づけをしていく練習となります。

以上、長くなりましたが、小6生の中学準備についての学習ポイントを書いてきました。是非とも小学校生活の締めくくりとして、万全な状態で中学校学習のスタートを切ることができるように、参考にしていただければと思います。