数の感覚について
こんにちは!相模原市中央区矢部にある、個別指導塾SHIN塾長です。
この記事は、学習の仕方についてこの塾が考えていることを、自塾紹介の一環としてブログに書いていく連載の第6回目となります。過去の記事も、是非読んでみてください!
今回は数の感覚についてです。特に小学生、数学の苦手な中学生に重要となる部分です。是非読んでみてください。
まず「数の感覚」とは何かということについて、下の問題を見てください。
6.9×3.1=
これは小学校5年生で学習する小数同士の掛け算であり、正しい答えは「21.39」となります。学校では、「整数の掛け算と同じ様に計算し、その後小数点を移動する」といった解き方を学びます。この計算を、「2.139」や、「213.9」のように小数点のつく位置を間違えてしまい(これ自体は計算ミスとしても考えられる解答ではあるのですが)、この答えに違和感を感じずにそのままにしてしまうことが、「数の感覚」の欠如です。元の式を見てみると、6.9は「およそ7」であり、3.1は「およそ3」であるため、答えは大体7が3つ分で21くらいになるはずだという意識を持つこと、2.139や213.9といった答えに「おかしいな」と感じることができること、これが「数の感覚」が身についているということの一例です。これは、足し算引き算掛け算割り算が数字に対して何をしているのか、出てきた数字は何になるのかといった部分を意識することと同義になります。
計算を機械的に見てしまい、数字がどのように変化するかといった計算の意味を意識できない(数の感覚が身についていない)ことは、答えの大きさに違和感を持てない計算ミスにつながるだけではなく、文章題が苦手だという生徒が文章を式に表すことができない原因の一つにもなっています。計算を正しい手順で正確にできることは学習にとって大切な要素ではありますが、その手順にばかり目を向けてしまうことで、この「数の感覚」が身につかなくなる危険性があります。小学生では、低学年ではおはじきやブロックを使用して数の感覚を多分に意識した学習になっているのですが、高学年になるにつれ学習内容が複雑になってくると、その意識が希薄になってしまうパターンはよく見られます。特に小数や分数が登場したころから、具体的な大きさがわかりにくくなり、機械的な計算に陥ってしまうことがあります。
では、どのように「数の感覚」を身に着けていくのかというと、「数字に意味を持たせる」といった学習が効果的です。塾で行う指導の一例としては、易しい文章問題をまず解いてもらい、それぞれの数が何を指しているのか、そして出た答えが何を指しているのかを生徒にアドバイスを与えながら説明させたのち、同じ四則となる計算問題を解いてもらいます。ここで計算の数字に先ほどの文章問題と同じ内容の数の意味を持たせて計算してもらい、問題の数字と答えの数字が何を表しているのかをもう一度説明させます。これを繰り返し学習してもらいます。他にも、計算問題の数字を使って生徒に文章問題を作ってもらうなども効果的です。生徒の学習状況や学年によって様々な方法はありますが、ポイントは「数には意味があることがふつうであり、計算はその文章題を解くための練習をしている」という部分を理解してもらうことです。
温度、角度、速さ、質量、長さ、面積、価格、、、、などの意味のある数を四則を含めて正確に扱うことが、算数を学習する意義の一つです。学校でも行われていますが、面積や長さを扱ったのであれば、実際に家の中や身の回りの面積や長さを確かめてみたり、速さを学習したのであれば、学校から家までのおよその距離を考えて、どのくらいの時間がかかるから、自分の速さはいくらくらいになる、などといった算数と日常との具体的な接点を考えてみることは「数の感覚」を身に着けるためにとても大切です。お買い物のときに、このお金でどれくらいのものがいくつ買えるのかを考える経験なども、同様に大きな助けとなります。
中学生になると数学はより抽象化されたものを扱うこととなり、日常との接点はもちろんあるのですが、さらに見えづらくなります。そこで、「こういう風に計算しろと教えられたからやっている」「公式を覚えて使っているがなぜそうなるのかわからない」などといった学習は、学習効率が悪いだけでなく勉強嫌い、数学嫌いになる大きな原因になります。
個別指導塾SHINでは、ただ教えられたとおりの手順をなぞるのではなく、なぜなのか、なんのためなのか、といった部分に重点を置いた指導を行っております。学習の楽しさを感じられる部分でもあります。興味をお持ちいただけましたら、ぜひともお問い合わせください!