高校受験制度と内申点について
こんにちは!相模原市中央区矢部にある、個別指導塾SHIN塾長です。
この記事は、学習の仕方についてこの塾が考えていることを、自塾紹介の一環としてブログに書いていく連載の第4回目となります。過去の記事も是非読んでみてください!
夏休みも終わり、テスト期間前後となっている学校も多いのではないかと思います。学校のテスト結果、そして学期ごとの成績は自分のこれまでの学習効果を測るためにとても大切なものです。そして、テストを受けただけでは終わらずに、自分のできた部分、できない部分を振り返り、次への改善点を見つけていくこともまた大切です。
しかしながら、テスト結果及び成績は、自分が学習を見直す機会としてだけではなく、受験制度の中では他者が生徒を判断する材料としても使われることを忘れてはいけません。その生徒の限られた一面のみである、いわゆる内申点が合否に大きくかかわってくることにはもちろん異論も多々あるのですが、現状の受験制度として決められている以上、どのような使われ方をしているのかを知り、そしてどのように立ち向かっていくのかを考えなければなりません。まずはその中身について紹介します。
高校受験制度について
神奈川県の公立高校入試では、①学力検査 ②内申点 ③特色検査 ④調査書の「主体的に学習に取り組む態度」
の4つが用いられます。①と②、④はすべての学校で用いられ、③の特色検査は一部の学校のみで用いられます。
①学力検査は国数理社英の5科目を100点満点で行われます。学校によっては、特定の科目の結果に倍率をかけることもあります。②内申点は「中2学年末成績 + 中3の12月前後に出る成績×2」で計算されます。これも特定の科目に倍率をかけることがあります。③特色検査は、思考や判断を要求する難易度の高い学力テストを用いる学校や、音楽、体育、美術といった実技テストを用いる学校、面接試験を取り入れる学校があります。特色検査を行わない学校も多くあります。
まずこの①と②と③の点数に学校ごとに決められた「5:5:2」や「4:6:2」、「6:4:なし」などといったそれぞれの比率をかけた結果の合計点数が高い生徒から合格者を出していきます。そして、合格定員の90%までを出したところで、次の選考に移ります。この90%の選考を一次選考、のこりの10%の選考を二次選考と分けて合否を判定するところが神奈川県の特徴です。二次選考では、①と③と④を用いて合格者を判定していきます。つまり内申点は用いられません。ですが、④調査書のなかの中3での「主体的に学習に取り組む態度」が2024年、つまり来年2月の入試から新たに評価の一つとして用いられます。これは成績表の各科目の右側に書かれた「A゜~C」の3つの欄のうち一番下段のものを点数化して計算します。
内申点について
以上から内申点についてまとめますと、【中2、中3の成績が大きく合否にかかわる要素となること】がわかります。当日点を取ることももちろん大切ですが、学校によっては半分かそれ以上を内申点に振り分けている場合もあります。また定員の10%となる二次選考では昨年までは「学力検査と面接(学校によっては特色)」の当日だけの勝負で判定されていたため、内申点が大幅に足りていない場合でも当日テストで大きく巻き返すといった「二次選考を狙っての受験」が枠は少ないながらも可能でしたが、今年度からは二次選考に【中3の主体的に取り組む態度を用いること】が含まれることとなり、内申点の重要度は増加したともいえます。
内申点を上げるポイント
内申点は、定期テストの点数だけで判断されるものではありません。ワークやノート提出、授業へ臨む姿勢、小テスト、グループワーク、発表、実技、作品などを学校の先生が評価し、その合計を三つの観点で点数化しています(偏った評価とならないように教科ごとに項目と評価基準を細かく先生が作成していますので、疑問に感じている部分があったら面談の時などに尋ねてみることも可能です)。内申点を上げるためのポイントは、以下の3つです。
①テストの点数 ②提出物 ③授業態度
①テストの点数だけで判定されることはないとは書きましたが、やはり大きな部分を占めていることは間違いありません。定期テストだけでなく、単元テスト、小テストにも全力で取り組むことが必要です。小テストなどでも、正答率だけでなく解答の仕方からも、テストに対して準備しているのか、全く取り組んでいないのかは先生にはわかります。
②提出物は出せばよいというものではありません。ワークは答え合わせをしてできなかった問題を解きなおしているのか、ノートは先生の言葉だけでなく自分の気づきや学びを残しているのか、といった部分を評価されます。
③授業態度は、グループワークでの役割や、発言、発表の姿勢、先生とのコミュニケーションも重要になります。先生に媚を売るとか、仲良くなるという部分ではなく、人と人のコミュニケーションがきちんとできているのかといった部分はみられます。自主的な発言の回数などといった、少なからず個人の性格によって左右されるものは、大きな評価の対象にはなっていないようです。
これらに共通して評価の対象となるのが、「主体的」な姿勢です。学校教育の評価は点数だけでなく、「自分の現状を把握して、自分で課題をみつけ、自分でその克服をするために試行錯誤し、解決する」といった部分に重きを置かれるようになっています。得意、不得意は誰にでもあるものですが、「それを自分で見つけ、得意な部分をさらに自ら伸ばそうとし、苦手な部分に自ら向き合っていく生徒」を、神奈川県が求めていると入試制度の変更からも考えられます。
まとめ
以上、細部を省略した部分もありますが(十分に長いですが)受験制度と内申点についてです。個別指導塾SHINの学習では、「やらされている学習」ではなく「明確な目標をもって、自らが考えて行われる学習」を正しい学習法を通じて指導していきます。もちろん提出物や、ノートについてもアドバイスや進捗の管理も含めて指導を行います。はじめはひとりでは取り組みにくい部分ですが、個別指導だからこそできる、それぞれに合わせたスタートラインから始めます。ぜひとも一緒に学び、「主体的な姿勢」をつくりあげていきましょう!